金木犀の香り



 

 

 

金木犀の香り

 

誘われたのさ 街を包み込んだ秋風に

家路の途中の足を少し緩めたのなら 遠回りをして帰ろうか

 

いつかの通学路 変わってしまった景色 思い出すは秋の記憶

 

金木犀の香り 忘れない青春の香り

いつか恋をしていたあの日の僕に戻ったようさ

 

だって君に会いたがっている

 

 

初恋だったんだ 二人 手を繋いだ帰り道

こんなに胸の鼓動が早く動くものかと気付かれぬよう隠してたんだ

 

香る秋の空 何の香りかと君が尋ねる

 

「うちのトイレの芳香剤と同じだ」というとロマンチックじゃないと怒られた

 

ずっと忘れていたくだらない会話思い出し なぜかちょっと嬉しくなる

 

金木犀の香り 変わらない青春の香り

まるであの日のように香る街角 振り返っては

 

やっぱ君に会いたがっている

 

燃える茜空 たまらなく狂おしくさせて

また今日が終わっていく

 

巡る季節の中で初恋は終わり 消えていった君の面影 この街の中

だけど大人になってこの街を出ても秋になれば きっと君を思い出させる

 

金木犀の香り 変わらない青春の香り 

いつか恋をしていたあの日の僕に戻ったようさ

 

だって君に会いたがっている 燃える茜の空 君に会いたがっている